NEW BOOK 新刊
徹底図解 東洋医学のしくみ』
兵頭 明/監修
新星出版社 1,680円
ISBNコード 978-4-405-10683-3(4-405-10683-5)

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はじめに


 人はなぜ病気になるのでしょうか。人は病気にかからないようにするすばらしい力をもっています。病気になりかけたときには、それに対応する力をもっており、また病気になってしまったときには自分で治そうとする力ももっています。こういった一人一人がもっている力の正体は、いったい何なのでしょうか。自然治癒力、抵抗力、ホメオスターシス、免疫力、いろいろな言い方がされていますが、東洋医学ではこの力をどのように考えているのでしょう。
 次にこの力は体のどこから生まれてくるのでしょうか。私たち、ひとりひとりがもっているパワーの秘密をさぐってみましょう。これが元気の秘訣です。
 本書をつうじて、東洋医学の考え方が、生活にいかに根ざしたものであるか、東洋医学がいかに身近な医学であるかということに気づかれることでしょう。
 この東洋医学のしくみ、そして考え方にもとづいてご自身やまわりの人たちの生活を見つめなおしてみたときに、ご自身の新たな健康管理のありかた、体調管理のありかた、病気との接しかたなどについて、きっと新たな気づきと発見があることでしょう。
また多くの皆さんが知りたがっている人の成長、発育の秘密、老化の秘密、美容の秘訣、健康法の神髄、ストレスとの接しかた、ダイエットの落とし穴、物忘れの秘密、尿もれの改善法、転倒予防の秘訣といったさまざまなテーマについて、東洋医学的な考え方にもとづいて一緒に考えてみたいと思っています。人が本来もっている力を大切にする、人にやさしい医学、それが東洋医学なのです。


兵頭 明

目次
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おわりに


 21世紀に入り、欧米を中心とした先進諸国では、代替医療、統合医療に関する体制が着々と充実しつつあります。疾病を対象としてきた20世紀の医療から、人を対象とした21世紀の医療へと転換が始まっているのです。
 日本でも2025年を目標にした健康づくりに関して、「70歳現役社会で高齢者の健康・働き甲斐・満足度・QOLを大幅向上、老若男女一人ひとりが志を持ち心身ともに元気」@といった考え方が示されています。また「国民の健康寿命の延伸に向け、国民自らがそれぞれの立場等に応じ、予防を重視した健康づくりを国民運動として展開するとともに、家庭の役割の見直しや地域コミュニティの強化、技術と提供体制の両面からのイノベーションを通じて、病気を患った人、障害のある人及び年をとった人も持っている能力をフルに活用して、充実した人生を送ることができるよう支援する」Aとされています。
 本書により東洋医学のしくみと考え方を理解された多くの読者は、東西医学の長所をうまく連携させ、融合させることにより、この健康をテーマとした国家プロジェクトの多くの目標が実現可能になるであろうことに、気づかれることでしょう。また、キーワードはすべての人がもっている「正気」であることにも気づかれることでしょう。さらに私達がこれからの人類の健康を考えるとき、今一度、自然と人との統一体観を前提として、人の健康と地球の健康を連動させて一緒に考えていきたいものです。
 本書の執筆にあたり、多くの先生方から貴重なご助言をいただき、そして貴重なデータを提供していただきました。日本の医療の現場ですでに実践されている東西医学のコラボレーション、その一端を多くの読者に紹介できたことを、こころより感謝するとともに、先生方の今後のさらなるご活躍を心より期待しております。


兵頭 明



@ 2006年に開催された国の第2回イノベーション25戦略会議
A 2007年の新健康フロンティア戦略の趣旨(新健康フロンティア戦略賢人会議)





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