NEW BOOK 新刊
経絡・ツボの教科書』
兵頭 明/監修
新星出版社 2,625円
ISBNコード 978-4-405-09223-5

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はじめに

  いったい私達のからだには、どのような力が宿っているのでしょうか。一般的に、多くの人は自分自身の生きる力、病気にかからない力、病気になっても自分で治ろうとする力について、普段はあまり関心がないようです。健康を維持する力、体調を整える力、疾病を予防する力、症状を改善する力、美容をサポートする力、アンチエイジングの力、ウェルエイジングの力など、本書を通じて私達には本来いろいろな力が備わっていることに気づかれることでしょう。その力をサポートしているのが、ご自身のツボの力なのです。
  私たちのからだは、いろいろな部品の集合体ではなく、一つの有機的な統一体を形成しています。本書を通じて今一度、全人的・総合的な視点からご自身のからだについて見つめなおしていただけたら幸いです。目、耳、鼻、舌などの器管の機能は、内臓の状態と密接な関係にあり、その内臓系統と諸器官とを連絡させている情報伝達システムが、経絡系統です。そしてこの経絡系統上に一定の法則をもってツボが存在しているのです。ツボはからだに点在しているのではなく、内臓系統や諸器官を調整するための経絡系統のスイッチ、ステーションの役割を担っているのです。
  吉田兼好は『徒然草』のなかで、のぼせや高血圧の予防のために40歳をすぎたら足三里に灸をすべきであると述べています。また松尾芭蕉は一日の旅の疲れを癒し、そして明日の健康にそなえたのでしょうか。それとも健脚が目的だったのでしょうか。『奥の細道』の序文で、足三里へのお灸について言及しています。ツボ療法は日本の文化です。日本における医療の中で、そして民間療法の中で1500年もの長きにわたって私たちの健康管理、疾病予防、そして疾病治療の面で、大いに貢献してくれているツボは、お一人おひとりが持っている自己調整のためのスイッチなのです。
  ぜひご自身のもっている力に気づき、そしてご自身のツボを活用し、ご自身の健康管理、疾病予防、体調管理にツボを役立てていただきたいと思います。    
 

監修者 兵頭 明  






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