
本書は本題を含め、全部で4篇の文章で構成され、そのすべてが、呪術と伝説に深く関わっている。
古代中国人によれば、ある種の病気は鬼神のなせる業であったという。
呪術療法にあたえられる病いは、精神に関わる病い、治療法のない病い、偶発的な病いなど、
困難な課題ばかりであった。
すでに医療療法のわかっている病気であれば、診察して癒す、助からないものは見放すということ
だったようだが、呪術療法の場合は異なっていた。
「患者の目前で、患者を組み込みながら、その意味を開示してゆく。呪術療法は宇宙論的に
意味づけられた行為であることによってはじめて成り立つ」と述べられている。
「夜鳴く鳥」は『思想』1985年10月号に掲載。
「医学の伝授」は『漢方研究』1979年10・11月号に掲載。
「扁鵲伝説」は『東方学報』1988年第60冊に掲載。
「名医の末期」は京都大学人文科学研究所の1987年度夏期講座で発表したものを元に書き下ろしたもの。
タイトルの「夜鳴く鳥」では、著者は「嬰児せいの治療法の分析をとおして、呪術の駆動力が描かせた
想像力の奇跡をたどってみたいと思う」と述べ、姑獲鳥伝説などの話が登場している。
*嬰児せい…小児の強直性痙攣
*姑獲鳥伝説…原-姑獲鳥伝説の母胎は「五十二病法」に書きとどめられた嬰児法の
呪術療法であった
(2005/02/01)
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